2014 July

 
 
 
 
塩沢湖畔のタリアセンの中に移築された建築家、アントニン・レーモンド (Antonin RAYMOND)の夏の家。今はフランス人のイラストレーター、レイモン ド・ペイネ(Raymond PEYNET)の美術館になっている。1933年に建てられた この家はレーモンドのアトリエだったそうで、スロープのデザイン等インドで見 たコルビジェ作 品に似ている・・・と思っていたら、コルビジェから盗作の指 摘を受けたと説明を読む。

 

 
 
 
 
 
 
 
 
同じく塩沢湖畔にある旧朝吹邸、睡鳩荘へ。アメリカ人建築家、ウィリアム・メ レル・ヴォーリスが46棟作った別荘建築の代表的な一軒。フランス文 学者の 故、朝吹登美子氏が生前こよなく愛されたこの別荘。フランソワーズ・サガンの 翻訳でも有名な朝吹氏、階級社会を肌で知った方が翻訳されたこ とも日本でサ ガン文学がブームになった理由だと聞く。パリの母校の会ではヴェルサイユのお 宅にお招きを受けたり、パリー東京ー軽井沢と言うライフ スタイルが同じだっ たのでとても良くして頂いた。いつも本当にスケールの大きなお話を伺うのが楽 しみで、お話を伺った後は自分まで何だかスケール の大きな人になったような 気がした・・・。今はもうこんなスケールの方にはなかなかお目にかかれないのも 時代を感じる。

 

 
 
 
ワタリウム美術館で「ルドルフ・シュタイナー展 天国の国」を観る。Rudolf Steiner ルドルフ・シュタイナーはオーストリア・ハンガリー帝国出身の哲学者 であり、アントロポロゾフィー(人智学)の創始者。1919年にシュトットゥ ガルトで 始まった「自由ヴァルドルフ学校」は、シュタイナーの人間観に基ず いた教育で有名になる。その後「シュタイナー教育」として彼の世界で展開さ れ、 彼の思想を広める活動が行われるようになる。さまざまな活動の軌跡は興 味深い。私自身は一人の人の思想に基ずいた教育には抵抗があり、「私にとっ ての自由」は誰かの思想に基ずくことなく、「独創的なオリジナルな考え方」だ と思っている。

 

 
 
 
国立西洋美術館の「橋本コレクションー指輪:神々の時代から現代までー時代を 超える輝き」展のオープニングに伺う。橋本貫志(1924〜)の個人 コレク ションが西洋美術館に寄贈されたことを記念したこの展覧会。4000年前の古 代エジプトのものから現代のブルガリまでと幅広く、神戸ファッ ション美術館 所蔵の18世紀〜19世紀の各時代のモードと照らし合わせて見られるという企 画がとても面白い。

 

 
   
 
 
expo index 現代美術のアーティスト、河原温氏が亡くなる。ワタリウムでシュタイナーの展 覧会を見ていたのも何かの縁?1983年、ワタリウムがまだ「ギャラ リー・ ワタリ」だった頃私は高校生だった。河原温氏の「One Milion Years」という展 覧会を見た事はおぼろげに覚えていたので、カタログの残部を見つけて思わず 買ってしまう。有名な「Date painting 」はリキテックスの単色画面に白の日付 け、その日の新聞を入れた箱に保存されている。「I am still alive 」と言う 電報を世界各地から発信するという作品も・・・。経歴も謎、公式の場に姿を現 す事もなく、作品を自己の言葉で語らない。1966年以降は本人の写 真もイ ンタビューも存在しないそう。あまりにもコンセプチュアルで、高校生の私には 衝撃的ですらあった・・・。 page top

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